「コロイダル・シルバー」とはなんぞや?
冷蔵庫が発明される前は、ミルクの入った入れ物に保存料として銀のコインを落としておくことが普通に行われていました。なぜなら、銀は藻や菌、その他の望ましくない微生物の成長を妨げるものとして知られていたからです。
大昔、銀は病気の蔓延を止める一般的な療法でもありました。天然の抗生剤としての使用は、1940年に薬としての抗生物質が発明されるまで続きました。
この数十年、西洋医学界は化学合成された抗生物質を多用して、この大昔から使われてきた天然の抗生剤(コロイダル・シルバー)を無視していますが、それも、人々が自然回帰でオーガニックなものを好むようになってきた昨今、再びその素晴らしい効能に注目が集まっています。
ここで、私自身も持った素朴な疑問ーー銀を摂ると、重金属汚染にならないのか? ですが、その答えは、調べてみるとどうやらNOのようです。
「銀は重金属ではなく遷移金属だから」そして、米国環境保護庁(EPA)によると、カビや菌、菌糸体、バクテリア、寄生虫には非常に毒性を発揮する一方、人体には全く無害だそうです。
不思議なのですが、まあそれを聞いて一安心ですかね。ちなみに、銀は発がん性もなく、体内に蓄積はしないので、経口摂取しても数か月で排出されるそうです。それにしても、「銀皮症」の報告もありますし、摂りすぎると善玉菌まで殺してしまいますので、何か月~何年も継続して摂るのはやめておきましょう。(抗生物質を継続して摂らないのと同じように)
「コロイダル」ってどういう意味?
ちょっと化学の話をしますね。
”Colloidal Silver”とは、日本語に訳すと「コロイド化された銀」のことです。しかし、コロイド化って?
ここでコロイドとは、「2種類の物質が混じる際に一方が直径1~100nm程度の大きさの粒子となって、もう片方に均一に混じる状態のこと」を指します。
と言ってもさらにイメージが湧かないかもしれませんが、身近な例を挙げると、塩水、砂糖水もコロイド溶液ですし、牛乳も水分にたんぱく質や脂肪が溶け込んだコロイド溶液です。
液体に限らなければ、インクや燃料、さらに化粧品も、また食品ではチーズやヨーグルト、さらに豆腐などもすべてコロイドになります。
つまり、この世にコロイドは数えきれないほどあって、コロイドでないものを探す方がかえって大変なぐらいです。
コロイダル・シルバーが作用するメカニズム
コロイダル・シルバーが体を治していくやり方には、3つの主なものがあります:
1.触媒による酸化:
銀は自然に酸素分子にくっついて、スルフヒドリル(H)グループに素早く反応し、バクテリアやウィルスを取り囲みます。これは、「細胞の呼吸」としての細胞の生命活動を阻んで、死に至らしめます。細胞の呼吸とは、具体的には「生物の細胞内で栄養からアデノシン三リン酸(ATP) へと生化学エネルギーを変換して、老廃物を排出する」ことです。分かりにくいですが、まあ要は、「コロイダル・シルバーは酸化させることで病原菌を窒息させる」と理解してください。
2.バクテリアの細胞膜との反応:
銀のイオンが細菌の細胞膜に直接くっついて、同じく呼吸を止める効果を発揮する。
3.DNAとくっつく:
文字通り細菌のDNAに入り込めるため、緑膿菌にも銀の12%まで見つかっている。それが、菌が複製して増えていくのを止める。
コロイダル・シルバーの種類
「コロイダル・シルバー」として売られている商品には、基本的に以下の三種類があります:
1.イオン(化された)シルバー(Ionic Silver)
コロイダル・シルバーの中では一番多いイオン・シルバーとは、銀成分が主に銀のイオンで構成されている商品です。これはよくコロイダル・シルバーとして売られていますが、厳密には真正コロイダル・シルバーではありません。
イオン・シルバーは最も安く生産できますが、実際には真正コロイダル・シルバーほどの効力がありません。
2.シルバープロテイン
これは、大きな銀分子を浮かせておくために、ゼラチンを足したプロテインベースの銀商品です。
シルバー・プロテインは市場では2番目に一般的であり、シルバープロテイン・パウダーに水を加えると簡単に作れます。これも、コロイダルシルバーとして売られていますが、真正コロイダル・シルバーではないので混同しないでください。これもまたヒトへの使用には真正コロイダル・シルバーほどの効果が期待できません。
3.真正コロイダルシルバー(True Colloidal Silver)
最後に来ましたが、真のシルバーコロイドは、プロテインや他の添加物を含んでおらず、銀成分の大部分がナノメートルサイズの銀粒子で構成されています。
コロイダル・シルバー・8つの主な効能
1.抗バクテリア&抗菌性
まず、コロイダル・シルバーの抗生物質も効かない耐性菌をやっつける力には驚くべきものがあります。 1980年代にアメリカで行われた実験では、少量の銀で650種類以上もの病原菌が、一瞬で殺せたそうです。
コロイダルシルバーは、薬としての抗生物質と違って、殺した微生物に耐性や免疫を付けさせません。これは、毎年アメリカで200万人以上の人が耐性菌による感染症になり、23000人がそれで亡くなっていることを考えると、すごいことです。
加えて、ある研究では、イオン・シルバーが好気性・嫌気性のバクテリア両方に効く広域抗生物質としての効力を裏付けました。(ただしその効力は、カビにはそれほどのパワーはなかったようですが)
2.傷のケア / 肌の健康
2012年に発表された研究では、コロイダルシルバーは肌やその他の柔らかい組織の損傷ーーやけど、舌苔、歯周病などーーの治癒を促進するということです。
例えば、コロイダルシルバーがあれば、家庭で白癬(ringworm)を治療できます。それには強力な効かビ作用があるからです。(白癬ーー肌の表皮に棲むカビの一種で、丸いウロコのようなかさぶたを形成する。り患した肌の接触や、菌のついた衣服などからも人に移る)
コロイダル・シルバーは、乾癬やアトピーのような皮膚疾患にも効果があります。また実際、コロイド化させた銀のナノジェルを切り傷ややけど、慢性的な傷にも、つけると治りが早くなります。そのため、銀は昔からやけどなどに使用されてきましたが、抗生物質の登場によって廃れてしまいました。しかし1960年代以降、また人気を取り戻しつつあります。硝酸銀とスルファジアジン塩を組み合わせたSSDクリームは、多くの患者でやけどの回復に使われました。
3.結膜炎/中耳炎
結膜炎は、眼球やまぶたを覆う粘膜が炎症を起こした状態ですが、これは、主にバクテリアや細菌によって起こります。コロイダルシルバーは、炎症を起こした伝染しやすい菌やバクテリアに速効的に作用します。感染した目に付けると、小さな銀のコロイド粒子が電磁的に感染した細胞を引き寄せて、血中に送り出してポイします(笑)
ところで、現代の処方箋としての抗生物質は、特定のバクテリアに対して効くように作られていますが、中耳炎は多数のバクテリアや、カビから起こっていることもあります。この場合、抗生物質は何の役にも立ちませんが、コロイダル・シルバーはその感染が何によって起こっていたとしても、効果があるのです。
4.抗ウィルス性
コロイダル・シルバーはHIV/AIDS、肺炎、ヘルペス、帯状疱疹、イボなどにも、抗ウィルスの特性を発揮します。実際、コロイダル・シルバーはウィルスを素早く止める自然療法の一つとしてあげられています。
コロイダル・シルバーはウィルスを窒息させて、エイズ患者のHIVウィルス活動も抑えることができます。C型肝炎ウィルスに対しても、コロイダル・シルバーが効いたという数多くの事例報告があります。
5.抗炎症性
コロイダル・シルバーは、すばらしい抗炎症の治療法でもあります。それには、国立衛生研究所が行った豚での実験がありますが、研究は昔から人々が経験則として知っていたことーー「コロイダル・シルバーは腫れを抑え、治癒を早めて細胞の回復を底上げする」を裏付け始めているに過ぎません。
6.副鼻腔炎
去年発表された研究では、コロイダル・シルバーを鼻スプレーとして、副鼻腔炎を治療するのに効果があるということです。特に、黄色ブドウ球菌を殺すには、塩少々とぬるま湯を入れた「ネティ・ポット(鼻うがい用の入れ物」に銀を数滴落として、シンクなどで頭を斜めにしながら鼻の穴に直接流し入れます。(参考記事はこちら)
また、最近の研究では、病原菌による隠れた感染は、一般的なアレルギーや喘息に関係のある呼吸器系の炎症が原因であることがあると指摘しています。
コロイダル・シルバーは緑膿菌感染をもやっつけますが、これが、空中浮遊物によるアレルギー患者が、コロイダル・シルバーによって劇的に症状が改善することがある理由かもしれません。
7.風邪・インフルエンザ
コロイダル・シルバーは、あらゆる感冒(ごく普通の風邪から豚インフルエンザまで)を予防すると言われています。
これに関して行われた研究は多くはありませんが、2011年に国立衛生研究所が12歳以下の子供たち100人に行った実験では、ただの生理食塩水より、コロイダルシルバーを入れた水で治療したグループの方が、90%の人が完全に回復しました。
8.肺炎
こと気管支炎や肺炎に関しては、医者の出す薬の効果は限られています。普通、抗生物質がまず治療薬として処方されますが、肺炎はウィルス性ですから、抗生物質は効きません。一方コロイダル・シルバーのいいところは、どのような病原菌にも対処できることです。
コロイダル・シルバーは、気管支炎や肺炎には、内服すると素晴らしい製品ですが、もっと効力を出させたいなら、それを肺に吸い込むことです。
こうすると、銀は肺の中で気管支炎や肺炎を起こしている菌に直接触れられます。
そして、コロイダルシルバーを肺に取り込む最も効果的な方法は、噴霧器[ネブライザー]を使うことです。一般的に、約小さじ一杯を一日三回10~15分使用します。
コロイダル・シルバーの副作用
コロイダルシルバーの副作用については、国立補完統合衛生センターがコロイダルシルバーがいくつかの薬の吸収を妨げると報告していますが、限られた研究しかないので、副作用自体が存在するかどうかもわかりません。
にもかかわらず、「銀皮症」(肌が青っぽく変化する)と呼ばれる、コロイダルシルバーが引き起こす元に戻せない症状についての警告をたくさん目にするかもしれません。
しかしながら、これは真正コロイダルシルバーではなく、市場に出回っている他の安い商品(イオン・シルバーだったり、シルバープロテインだったり)の使用によって起こっています。
ともあれ、皆さんに一応気を付けてほしいことは、
● 長期間コロイダル・シルバーを使用し続けないこと
● コロイダル・シルバーは強力な抗菌剤なので、使用期間中は、プロバイオティクスも摂るなどして、腸内細菌の正しいバランスを維持しようと努めること
などです。
コロイダル・シルバーの摂取量&使用法
コロイダル・シルバーは各症状によって使用法が異なります。コロイダル・シルバーの使用法は以下のようになりますが、続けて2週間以上は決して摂らないように気を付けてください。
● 肌に直接2,3滴付ける
● 免疫サポートに、点眼器で一滴内服する
● 結膜炎の眼に1,2滴入れる
● どの傷にも、バンドエイドに1,2滴付けると消毒になる
● きちんと準備されれば、筋肉やがん腫瘍、血中に注射することもできる
● カンジダ膣炎や痔の治療に、膣や肛門に5~10滴入れる
● ネティポットに5滴加える、または直接鼻にスプレーする
高品質なコロイダル・シルバーの見分け方
コロイダル・シルバーの品質を見る一つの指標は、その色です。銀粒子が大きくなるほど、その溶液の色が黄色から茶色、赤、グレー、黒になっていきます。つまり、銀粒子は細かいほど体への吸収が良くなるのでいいとされ、黄色が最高品質で黒色が最も劣ります。
また、PPM(Particles Per Million)ももう一つの基準になります。これは、溶液中に銀が溶けている濃度を表します。高い数字ほどいいというわけでもなく、30PPMぐらいが体にベストだということです。
本日、母の耳下腺が腫れて、届いたらさっそく本品を使用したいと思います。熱はありません。