今回は、女性特有の症状であるPMSについて書きたいと思います。ちなみにこれは、他の女性特有の疾患(子宮内膜症や卵巣嚢腫)にも共通することが多いです。
平均的な女性は、一生に450回の生理を経験します。その数は、私たちより寿命が短く妊娠や授乳期間も長かった祖先の、実に三倍の量になります! 今日、女性の75%以上が生理前にPMS症状に対処していることから、多くの女性がこの自然な生物学的過程において不快な副作用を経験していることは明らかです。実際、PMSを報告している女性の30~40%が、PMSが日常生活の妨げになっていると言っていますし、PMSや生理痛の解消に何かいい方法はないかと常に探している状況です。
PMSは妊娠可能年齢の女性にとって、最も一般的なホルモンアンバランスの形態の一つであり、それには精神的・肉体的症状の両方があります。もしあなたがPMS症状と今まで何年も付き合ってきたのなら、この毎月の身体的な現象が1980年代前は医学界でほとんど認識されていなかったなんて、およそ信じ難いでしょう。PMSで悩む人にとって、症状はとてもはっきりしていて、なおかつ嫌なものです。
PMSの症状は生理の一週間から二週間前に始まり、それは軽いものから重いものまであります。もしあなたが月経困難症なら、おそらく腹痛(生理の最も不快な症状の一つ)を伴う生理を経験しているはずです。
ホルモンバランスは、どのようなPMS症状であるかの第一要因になります。
【PMSの症状と原因】
PMSの症状は普通、生理が始まる7~10日前に起り、生理が始まると同時ぐらいに終わります。PMDD(月経前不快気分障害)は、重度のPMS症状を表現するときに使われる言葉です。この症状も同じサイクルや範疇になりますが、当人をさらに消耗させるような結果を伴います。まあ、一般的なPMSでも、他の月よりましな時もあれば、悪い時もあるものですが。
~PMSの症状~
・ニキビ、肌荒れ
・背部痛
・腹部膨満感
・特定の食べ物ばかり欲しくなるなど、食欲の変化
・便秘
・涙もろくなる
・鬱
・心拍数が上がる
・イライラ、緊張、不安感
・疲労感
・頭痛
・ホットフラッシュ
・関節痛
・気分変動
・性欲減退
・胸の圧痛、張り
・集中力の欠如/頭のもやもや
・睡眠困難
・手や足のむくみ
・一人きりになりたくなる
・体重増加
西洋医学ではPMSの正確な原因は分かっていないとされていますが、それは生理の準備段階で起こるエストロゲンやプロゲステロンなどのホルモン値の変動と関係があるようです。PMSやPMDDの際に起こる鬱や不安も一般的です。生理を発動するホルモンの変化は気分障害を悪化させるというのはすでに定説になっています。
~PMS症状の原因~
・ホルモンの変化やアンバランス
・脳の生化学変化
・加工食品などのお粗末な食事
・ビタミンやミネラルが足りていない
・ストレス
・精神的問題
・甲状腺問題
・鬱や不安症
・環境毒素
・アルコールやカフェインの摂取(気分やエネルギーレベルに影響する)
・塩分の多いものを食べ過ぎる(→体液貯留や膨満を起こす)
・肥満
・運動不足
PMSと症状が重なるものには、不安症、鬱、慢性疲労症候群、内分泌系問題、IBS、更年期障害があります。
【PMS を軽減する食品】
PMS症状を経験する女性は、食事からカルシウム、ビタミンB群(特にB6)、ビタミンKやEを十分摂っていないことが多いです。また、マグネシウム欠乏も影響します。これらの必要不可欠な栄養素が日常的に十分摂れていないと、体は強いPMS症状を起こすことで、緊急に何とかしてくれというサインを出してきます。
ここでは、必要不可欠な栄養素が取れてPMS症状を軽くする食品を挙げます:
● 植物性食品
植物性食品を十分盛り込んだ食生活は、PMS症状を軽減します。
― 野菜&果物
― ナッツ&種
― ハーブ類
● カルシウムの豊富な食品
イワシ、ヨーグルト、ケフィアや調理したケール、ブロッコリーは有名なPMS撃退食品です。カルシウム値は女性の黄体期に自然に下がっていきます。
● 高繊維食品
食物繊維は、エストロゲンとくっついてそれを体外に排出することで、正しいホルモンバランスを保ちます。
● 葉物野菜
これらの野菜には利尿作用があり、また生理痛を和らげるカルシウム、マグネシウム、ビタミンKを含んだ素晴らしい食品です。
● フラックスシード(亜麻仁の種)
フラックスシードは、健康的なエストロゲンの代謝を促進します。
● 小麦胚芽
小麦胚芽は、ビタミンEとビタミンBを豊富に含みます。(ただし、グルテンも入っていますが)その他のビタミンEが豊富な食品~~アーモンド、ひまわりの種、ホウレンソウなど。
● 天然の青背魚
天然の鮭、サンマ、サバのようなオメガ3脂肪酸をたっぷり含んだ魚は、PMS症状を悪化させる痛みや炎症を軽減します。
● アボカド
アボカドを毎日半分か一個全部を食べていると、アボカドに含まれるよい脂肪、食物繊維、マグネシウム、カリウム、ビタミンB6がホルモンバランスを自然に整えていきます。
【PMSを悪化させる食品】
● トランス脂肪酸や水素添加された油ーー加工食品には大抵使われている
● 潜在的食品アレルゲンーーローテーションダイエットを試してください。病院でアレルギーテストをして、自分の体に何が反応しているか知ることも大事です。
● 異性化糖や精製砂糖ーー大切なミネラルを無駄遣いして、体内の炎症を促進する。
● (人工)塩ーー塩分の多い食事は、生理中の水分滞留を起こしてPMSを悪化させる。
● カフェインーー体に脱水を起こさせ、鬱、不安、乳房の圧痛を悪化させる。
● アルコール
【PMSと生理痛のための天然サプリメント・トップ5】
サプリメントを摂ることや家庭療法を実践することで、PMSや生理痛の症状を大幅に軽減することが出来ます。ここでは、よく知られる自然なPMSサプリメントのいくつかをあげました。
1.バイテックス(チェストベリー)(一日240mg)
バイテックスはエストロゲン/プロゲステロン比率のバランスをとってくれます。
➡お勧めサプリメントはこちら:
2.ビタミンB6 (一日100mg)
ビタミンB6はエストロゲンの代謝に関係します。
➡商品例
(Vitamin B群全体のサプリメントはうちのお店でも販売しています➡ ビタミンB群コンプレックス(有機))
3.プロゲステロンクリーム(小さじ1/4杯、一日10mg)
これはホルモンバランスをとるのを助けます。排卵後に始めて、生理が始まるまで使用するのが一般的な使用例です。
➡商品例
4.インドール-3-カルビノール(一日300mg)
アブラナ科の野菜に含まれる抗がん成分ですが、これは肝臓がエストロゲンを代謝するのを助けます。
➡販売例
5.マグネシウム(250mgを一日二回)
マグネシウムはエストロゲンの代謝に必要であり、生理痛を和らげます。
~おまけのハーブ療法や家庭療法~
アシュワガンダやホーリーバジル―― これら二つの滋養強壮ハーブは、コルチゾール(ストレスホルモン)を減らし、ホルモンバランスを整え、PMS症状を軽減することが分かっています。
➡ アシュワガンダ
➡ ホーリーバジル(トゥルシー)のお茶(他にもいろいろなフレーバーがあります):
(iHerb.comではじめてお買い物の方は、コード[JHP248]を入れると500円安く買えます)
また、PMS用にすでに調合してくれているサプリメントもあります:
➡商品例
➡PMS Tea
エクササイズはホルモンバランスをとりながらストレスを減らすのを助け、それがPMS症状も軽減します。研究では、肥満である(BMIが30以上かつ運動不足)ほどPMSが起こりやすくなることが分かっています。
また、ストレスはPMS症状を悪化させるので、日常生活では出来るだけストレスを減らすように心がけたいものです。最近の研究では、ストレスが多いと感じている女性は、PMS症状がそうでない人の25倍も起こりやすくなっていました。なぜか? 人はストレスを感じると、ストレスホルモンであるコルチゾールの値が上昇します。これは、ホルモンバランスにとってマイナスの効果を持ちます。ですから、「ストレスがあるほど毎月のPMS症状は大きくなる」と思っておいてください。
【PMSや生理痛に効くエッセンシャルオイル】
エッセンシャルオイルは、PMSに効果的な自然治療法になります。クラリーセージ油は自然にホルモンバランスを整えてくれるので、症状を和らげます。オイルを2,3滴アーモンドオイルなどのキャリア―オイルと混ぜて、下腹部に塗り込みます。それから、熱くしたタオルや湿布を2~5分間その部分にあてがいます。
サイプレス(ひのき)オイルは血の循環を良くして、生理痛をなくしてくれます。キャリア―オイルと混ぜて、クラリーセージと共に同じように行います。
緊張やストレス、生理痛を和らげるには、イランイランオイルとラベンダーオイルをアーモンドオイルなどのキャリア―オイルに混ぜて、首の後ろや下腹部に塗り込みます。
参考資料:
- https://draxe.com/7-natural-remedies-pms-cramps/
- https://draxe.com/pms-symptoms/