結論から言うと、そんなことはありません。糖分や塩分の入っていない炭酸水は、普通の水と同じぐらい体に水分を補給してくれます。いえ、それどころか以下のような水以上の効能もあるのです。
1.疲労回復・・・疲労物質の「乳酸」を体外に排出してくれる
2.便秘解消・・・炭酸によって腸のぜんどう運動を促進する
3.血行増進・・・炭酸による酸素欠乏により、その回復のため血流が増える
4.美肌効果・・・炭酸が肌表面に残る古い角質などの老廃物をたんぱく質に付着して除去する
5.ダイエット効果・・・炭酸によって胃が膨らむので、早く満腹感が得られる
その他、集中力アップ、心臓・腎臓の正常な機能や体温の維持などにも良い影響を与えるようです。
一方、炭酸水に人が抱きやすい懸念材料として、炭酸は骨のカルシウムを溶かす、胆石を蓄積する、歯のエナメルを浸食する、などがありますが、実際にはこれらは臨床研究で証明されていません。
◆ 炭酸水は骨密度を減らす?
以前、コーラが骨密度を減らすという話から、炭酸水を飲んでも同じような問題が起こるという説が流れました。実際には炭酸ガスを溶かした飲料を飲むことと、骨密度の変化には関係がないことが分かっています。
では、コーラとほかの炭酸飲料にはどんな違いがあるのかというと、
コーラにはカフェイン、リン酸(酸味料)、コーラエキスが入っています。しかしカルシウムは少量しか含まれていません。食品において、カルシウムとリンのバランスは大切です。これは、高リン酸が腸管におけるカルシウムの吸収を減らし、骨からカルシウムを流出させ、骨密度の低下の原因になると考えられるからなのです。
◆ 炭酸水は歯のエナメル質を溶かす?
炭酸水の多くは酸性のため、カルシウムを溶かすことが懸念されています。英国の研究者の報告によると、水よりは酸性度がわずかに高いものの、炭酸水で歯のエナメル質が溶ける可能性は非常に低く、糖入りの清涼飲料水に比べると、100分の1以下です。(ただし、炭酸水は体内に入ると弱アルカリ性に変わる)
ですので、炭酸水による身体への影響はほとんどありませんが、糖分や風味が加わった炭酸水は、清涼飲料水と同じで要注意です。
◆ ただし、炭酸飲料を飲むとゲップが出る・・という経験からも分かるように、胃酸が逆流する方には、炭酸水は適しません。
また、腹痛や腹部の不快感、便秘や下痢が続くという過敏性腸症候群(IBS)の方は、膨満感やガスが発生する可能性があるので、炭酸水は制限するか避けるべきです。胃潰瘍のある方も、炭酸水を飲むことで、回復が遅れる可能性があります。
ただしそうでなければ、炭酸水は胃の調子を悪くすることはなく、むしろ消化不良や便秘に効果があると言われています。
それから、運動の後は炭酸水ではなく普通の水を飲むことをお勧めします。 というのも、炭酸のために少量の水で満足して、十分な水を飲まない可能性があるからです。
最後に、いつもラベルをしっかり見て、不要な塩分や甘味料などの添加物が入っていないかどうかをチェックしましょう。例えば:
・クラブソーダには塩分が入っていますが、セルツァー炭酸水には入っていません。
・トニックウォーターは水ではなく、ソフトドリンクなので甘味料とフレーバーが入っています。
・フレーバー入りの炭酸水にはクエン酸や自然甘味料が、カフェインや塩分といっしょに入っている場合があります。
できれば自分で、プレーンな炭酸水にレモンや他のフルーツ、キュウリ、ハーブなどを入れてフレーバーを楽しんでみましょう。
私的には、例のデトックスドリンク(原材料:りんご酢、レモンジュース、シナモン、ステビアか生ハチミツ)を炭酸水で作って飲むと、おいしくて体にも良いですよ!
ただし、いくら体に良いといっても、飲み過ぎは逆効果になってよくないですからご注意を…
炭酸水を飲みすぎると (1回に飲む量は500mlくらいで、1日に多くても2Lまでが上限)、食欲増進、疲れやすくなる、むくみやすくなる、などのデメリットがあります。