前回、更年期症状に効くハーブをご紹介しましたが、肝心のどれが何に効くのかを書いてなくて、それでは不親切だと思いましたので、今回具体的にあげてみました。
医者に行くほどでもないけれど、ちょっと最近不調だなという人は、これを読んで、どうぞご自分に合う漢方薬/ハーブを探して試してみて下さい。
ちなみにこれらのハーブには、閉経時以外の女性にも男性にも使えるものが多くあります。また、これらはアマゾンやiHerb.comなどのネットでも購入できます。
★ブラック・コホッシュ(Black Cohosh)★
〇使用部分: 乾燥させた地下茎
〇効能: エストロゲンを活性化するハーブで、特に子宮の痛みやうっ血に作用する。またホットフラッシュにも効く。ブラックコホッシュには二つの抗リウマチ性物質が入っている。またコレステロール値や血圧を下げるのを助ける。
〇服用分量: 錠剤かカプセル状の250㎎を一日2~4回摂る。それか小さじ1/2杯のチンキ剤を一日二回。
※チンキ剤(ティンクチャー)―― 生薬やハーブの成分をエタノール、またはエタノールと精製水の混合液に浸すことで作られる液状の製剤のこと。
➡ チンキ剤の作り方
★セイヨウニンジンボク(Chaste tree, Vilex)★
〇使用部分: ドライフルーツ
〇効能: 更年期における抑うつを和らげるホルモン調節剤として働く。
〇服用分量: 錠剤かカプセルのものを一日300~600㎎。または小さじ1/2杯のチンキ剤を一日二回。
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★タンポポ(Dandelion)★
〇使用部分: 葉、根、花
〇効能: 肝臓に素晴らしいハーブ。あなたのホルモンバランスが崩れているなら、それは肝臓が過重のストレスにあるということなので、このタンポポの根を取ると良い。
〇服用分量: 一日1000~3000㎎を錠剤かカプセルで摂るか、タンポポコーヒーを2、3カップ飲む。あるいは小さじ1~2杯のチンキ剤を一日三回。
★当帰(Dong quai)★
〇使用部分: 根
〇効能: 植物ステロールと呼ばれる植物性エストロゲンが多く含まれていて、エストロゲン不足による症状を軽減する。
〇服用分量: 500㎎を一日二回錠剤かカプセルで、または小さじ1/2杯のチンキ剤を一日二回摂る。
★イチョウ(Ginkgo)★
〇使用部分: 葉
〇効能: このハーブは脳の機能、血のめぐり、体の全細胞の酸素供給を促進する。また疲労、記憶障害、うつにも効く。
〇服用分量: 一日1000㎎を錠剤かカプセルで。または小さじ一杯のチンキ剤を一日二回。
★朝鮮人参(Ginseng)★
〇使用部分: 根
〇効能: 朝鮮人参は、副腎を強化し、免疫機能を上げて、エネルギーを増加させ、血圧も正常化する。精神的、肉体的疲労両方に効く。血圧が非常に高い人(180/100以上)は服用しないでください。エゾウコギ(Siberian ginseng)の方がアメリカ人参よりも効果は高い。
〇服用分量: 一日1000~4000㎎を錠剤かカプセルで。朝鮮人参はたいていの人に安全な滋養強壮剤である。
★甘草(Licorice)★
〇使用部分: 乾燥させた地下茎
〇効能: 甘草は強力な副腎刺激剤で、素晴らしいエストロゲン活性ハーブです。そのため、更年期障害には多く使用されています。ただし、飲み過ぎるとカリウムを消耗して血圧を上げるので、頻繁に飲み過ぎないこと。高血圧の人は、服用しないでください。甘草はハーブティーにしても美味しいです。なので他のハーブティーにフレーバーとして少し加えてもいいでしょう。
〇服用分量: ホットフラッシュには甘草のお茶を一日1~2カップ飲むか、錠剤かカプセル状で一日500~1000㎎。または小さじ1/2~1杯のチンキ剤を一日二回。
★ラズベリー(Raspberry)★
〇使用部分: 生の、または乾燥させた葉と実
〇効能: ラズベリーも、酸味のある栄養の豊富なエストロゲン活性ハーブです。これは筋肉と子宮に直接の作用があり、弱った子宮筋を整えたり、子宮や腸のけいれんをリラックスさせてくれます。これはまた子宮や膣の脱出を元の位置に戻すのを助けます。
〇服用分量: 一日2000㎎を錠剤かカプセルで摂るか、カップに2,3杯のラズベリーティーを飲む。あるいは小さじ1/2~1杯のチンキ剤を一日三回まで使用してよい。
★レッド・クローバー(Red clover)★
〇使用部分: 乾燥させた花部分と、生の植物
〇効能: レッド・クローバーは、クメストロールと呼ばれる卵巣を刺激する植物性エストロゲンを含んでいます。これは体の機能を健康的に回復させ、体のpHをアルカリ性にしてくれる良いハーブです。レッドクローバーは、特に卵巣のう胞の治療に使われます。
〇服用分量: ホットフラッシュの軽減には一日1000~2000㎎を錠剤かカプセルで摂るか、レッドクローバー茶を一日3~4カップ飲む。チンキ剤では小さじ1/2~11/2杯を一日三回までは使用して良い。
★セージ(Sage)★
〇使用部分:生か、乾燥させた葉
〇効能: このハーブは多くの薬効的な特性があり、閉経時のホットフラッシュの治療にとても有効です。セージは植物性エストロゲンを含んでおり、過剰な発汗を軽減します。特に夜の寝汗がなくなるのを感じるでしょう。
〇服用分量:ホットフラッシュの軽減には一日3~4カップのセージ茶を飲むか、小さじ1/2~1杯のチンキ剤を一日三回摂る。 生のセージを細かく刻んで、スープやサラダなどにかけても良い。
★セント・ジョーンズ・ワート(St. Johns Wort)★
〇使用部分: 生の、または乾燥させた開花時の植物
〇効能: このハーブは緩和な鎮静薬で、特に不安に効く。また鬱にも効果があるとされる。
〇服用分量:500㎎を錠剤かカプセルで、または小さじ1/4~1杯のチンキ剤を一日2,3回。
★サルサパリラ(Sarsaparilla)★
〇使用部分: 乾燥させた地下茎
〇効能: サルサパリラはテストステロン(男性ホルモン)の生産を促すハーブのため、性欲減退を改善する。エネルギー増強にも良い。
〇服用分量: 一日1000~2000㎎を錠剤かカプセルで摂るか、サルサパリラのお茶を一日2,3カップ飲む。あるいは小さじ1/4~1/2杯のチンキ剤を一日3回までは良い。
★ノコギリヤシ(Saw palmetto)★
〇使用部分: ドライフルーツ
〇効能: このハーブは収れん性の利尿剤で、尿失禁の治療や体液うっ滞、骨盤臓器脱に効果があります。膀胱組織の乾燥や不調は炎症や虚弱につながりやすいですが、これはノコギリヤシで改善することが出来ます。このハーブは慢性的な尿路感染症を治療するのにも使えます。
〇服用分量: 一日1000~2000㎎を錠剤かカプセルで。または小さじ1/2杯のチンキ剤を一日二回。
★長芋(Wild yam)★
〇使用部分: 乾燥させた地下茎
〇効能: 野生の山芋は、世界中の女性に使われている強力なエストロゲン活性ハーブです。抗炎症作用があり、閉経期の関節炎を軽減します。また、プロゲステロン的な性質があり、重い生理による出血を軽減します。
〇服用分量: 乾燥エキスを一日1000~4000㎎摂る、または小さじ1/2杯のチンキ剤を一日二回。もしくは、長芋をそのまますりおろして食べてももちろん良い。