更年期はすべての女性が一度は通る、生きていく上での現実問題です。あなたが誰であろうとどこにいようと、この更年期が起こす副作用に対処せねばならない時が来ます。そもそも更年期障害とは、病気や疾患ではなく、老化過程におけるごく自然な変化ですが、更年期障害に対処する上で最も大変ことは、それがしばしばもたらす感情的、肉体的な副作用でしょう。
これらの副作用への最も一般的かつ伝統的な対処法は、「ホルモン補充療法(HRT)」です。これはエストロゲンと(/または)プロゲスチン補充薬を飲むことを指します。しかしながら、これらのホルモン補充薬を飲むことからくる健康上のリスクが、今や深刻な問題となっています。
【更年期症状の自然な軽減】
~危険なホルモン補充療法について研究で分かったこと~
研究では、ホルモン補充療法が、乳がんを含むいくつかの重篤な病気へのリスクを上げかねないということが分かりました。事実、国立心臓・肺・血液研究所や国立ガン研究所、国立衛生研究所が出資したもっとも大規模な研究の一つ、「女性の健康イニシアチブ(WHI)ホルモンプログラム」において、エストロゲン補充薬を服用している女性は、それを全く服用していない女性に比べて乳がんになる確率が24%上がることが明らかになりました。
研究では二つの女性グループを観察しました:エストロゲン補充薬だけを飲んでいるグループと、エストロゲンとプロゲスチン薬の両方を飲んでいるグループです。
研究は1991年に始まり、2002年にはエストロゲンとプロゲスチンの両方を摂っているグループの方で突然中止されました。なぜなら、両方の薬を使うリスクの方が効能をはるかに上回っていることに研究者が気づいたからです。
研究は、エストロゲンのみのグループについても同様の理由で2004年に中止されました。
もしあなたが女性で、更年期障害についてちょうど悩まれているなら、「ホルモン補充療法を使うことで特定の病気になるリスクが増す」という現時点での報告を知っておくことです。これらのホルモンを摂っている女性は、乳がんになるリスクが一層高くなるということを。
それでは、どうしたらいいでしょうか? 更年期障害は、悪い話しか聞かないような厄介な過程です。しかし、更年期症状が単に鬱陶しいものから、完全に心身が参ってしまうようなものまである中で、病気へのリスクを上げることなくそれとうまく付き合う方法があります。
それでは、更年期症状とはどのようなものかを具体的に見ていきましょう。
【更年期症状:101の事実】
基本的に、更年期には3つの段階があります:
閉経周辺期(更年期前)、更年期、そして閉経後(更年期のあと)
更年期症状は永遠には続きませんし、あなたの体も新しい変化に対応できるようになっていきます。ただしどのぐらいかかるかは、各人の体によります。
更年期は、月経と生殖能力の永久的な終わりを意味し、およそ一年間続きます。つまり、あなたはご自分の最後の生理から12か月間、正式に「更年期の真っただ中にいる」ということになります。更年期は40代から50代に起こりますが、日本での平均閉経年齢は50.5歳です。
更年期の期間中最も恐れられていることは、毎月の生理
が来ないことではなく、体内のホルモンの減少による副作用と向き合わねばならないことです。特にエストロゲンの減少が、視床下部に影響を与えるようです。視床下部とは脳の一部で、それは体の温度自動調節器とも呼ばれています。それが睡眠パターンや性ホルモン、食欲だけでなく体温も調節しているからです。
一般的な更年期症状:
・ホットフラッシュ(ほてり・のぼせ)
・気分のむら
・膣の乾き
・腹部にお肉がつく
・不眠
・髪が薄くなる
これらに加えて、多くの女性にとって閉経は、人生における大変化を表します。若くて命を育むことのできる女性から、歳をとって生殖能力のない女性へと移っていく(この言い方が失礼ですみません><;)ことは、精神的に打ちのめされる思いがするかもしれません。しかしながら、もしこの人生における変化を理解して、それを暖かく迎え入れ、自身の健康を危険にさらさないような適切な療法を行うなら、更年期はあなたの人生で最も良い時期の一つになり得るのです。そして更年期以降も、健康で、生き生きとして、性的に魅力的でいることが出来ます。(それは、石原元都知事が言うところの「女性が生殖能力を失っても生きているってのは無駄で罪です」では間違ってもありません!!)
巷には多くの代替療法があります――それらのすべてが、更年期症状やに対処するための自然な療法です。研究では、有効だったものもあれば、全く効かなかった療法もあります。
すべての治療法において、ある人に効いたものは別の人に効くとは限りません。私たちの体は皆一つ一つ違うからです。ですから、自分で少し調べてからいくつかの自然療法をやってみて、その上で自分の更年期障害に合うベストのものを選ぶべきです。
これには少し時間と下調べが必要ですが、それをやっておくと、気が参ってしまうような症状になる確率を確実に下げてくれます。
そのWHIホルモンプログラムの研究によると、エストロゲンとプロゲスティンを摂っている女性は、更年期以降以下のような病気になりやすくなりました。
「エストロゲン+プロゲスティン療法」がもたらすリスク:
・乳がん
・心臓病
・脳卒中
・血栓
・尿失禁
・認知症
これは、特に更年期症状が一時的な老化過程での通過地点であるということを考えると、割に合わないリスクですよね。実際、そんな化学療法を用いなくても、更年期に関連した一般的な症状の多くは安全な自然療法で効果的に対処することが出来るのです。