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ガンの代替治療法

抗がん効果がすごい!キノコ10種

 

日本には1500種以上、食用だけでも700種以上のキノコがあります。このうち、サルノコシカケの仲間は、漢方で霊芝や猪苓などとよばれ、昔からガン治療に効果があると言われてきました。このうちどのキノコにも共通する成分は、βグルカンなどの多糖類とエルゴステロール(ビタミンD)、トリテルペン、糖たんぱく質などです。


● Βグルカン ―― 免疫力を高めてがんを攻撃する

驚くべきキノコの発がん抑制作用は、主に「多糖類」がもたらすものと考えられています。多糖類というのは、多数の糖が結合した糖質(炭水化物)のことで、いろいろな種類がありますが、キノコ類に含まれる代表的な多糖類が、このβグルカンと呼ばれるものです。

このβグルカンは、マクロファージ や リンパ球 や ナチュラルキラー細胞(NK細胞)の活性を高め、「インターフェロン」などの「抗腫瘍性のサイトカイン」の産生を高めることによって、「抗腫瘍効果」を発揮する、と言われています。

 

● エルゴステロール ―― 新生血管の発生を阻害して、がんの増殖を抑える

キノコに広く含まれる脂質成分の「エルゴステロール」には、レモンの約10倍の抗酸化作用があり、がんの増殖に必要な新生血管の発生を阻害して、がんの増殖を抑える効果があることが明らかになっています。

またエルゴステロールは、太陽に当たるとビタミンD2になります。ビタミンDには細胞の分化・増殖、命に関する複数の遺伝子の働きを調節する作用があり、ガン細胞の増殖や転移を抑制し、アポトーシス(細胞の自殺)を誘導する作用が確かめられているようです。

 

 

それでは、抗がん作用が特に高いと言われているキノコ10種を見ていきましょう。

 

1.カワラタケ(Turkey Tail=「七面鳥の尾」の意)

霊芝や猪苓(ちょれい)などと同じサルノコシカケ科のキノコです。漢方では雲芝と呼ばれており、古くから仙薬、妙薬として珍重されてきたキノコです。からだの生理活性を高め、がん細胞を萎縮、消失させる力があることが認められ、全部で80種以上を数えるというサルノコシカケ科のキノコのなかでも薬剤化に最適とされて、抗がん剤の原料としても使われています。この抗がん剤はPSK(クレスチン)と呼ばれ、1976年に薬剤として認可されている、毒性のないがんの免疫療法の薬で、ほかの抗がん剤では効果がみられない患者にも有効であったという報告も あって注目を集めました。消化器がん、肺がん、乳がんの薬とされましたが、悪性リンパ腫などにも臨床応用されて効能が認められています。

キノコの多糖類であるβ・グルカンに強い抗腫瘍活性があり、肺がん、食道がん、乳がん、冒がん、悪性リンパ腫などを治癒させることが、臨床例からわかっています。

摂り方:
カワラタケはとても硬くて苦いので食用には向いていません。漢方として、粉末にしたもの:芍六君子湯加(さいしゃくりっくんしとう)が売っていたりします。また、水に浸けて煎じると「カワラタケ茶」としても飲めます。




2.霊芝(REISHI)

霊芝は、賢者やシャーマンによって2000年以上も使われてきており、中国では「Spirit Plant」として知られてきました。 別名マンネンダケや中国名「リンジー」「リンチ―」としても知られる霊芝は、心と体の両方をリラックスさせたり、強化する特性があります。このキノコは東洋医学では大変重要な位置を占めています。

霊芝(学名:Ganoderma lucidum)の生物活性分子と多糖類は、ナチュラルキラー(NK)細胞を活性化し、ガンの転移を抑えることが分かっています。ちなみに、免疫的な監視役を担っているNK細胞とリンパ球は、腫瘍の存在を知らせる「警告係」として絶えず体内を見張っています。

霊芝は、腫瘍の成長をゆっくりにしたり、悪性細胞の自然死(アポトーシス)を誘導したりすることも分かっています。現在、少なくとも大腸がん、肺がん、前立腺がん、乳がんの補助療法として霊芝が使われたりしています。

摂り方:
霊芝はカプセル、顆粒などがあります。 霊芝の飲み方は一日2〜3回、空腹時に飲むと効果的です。

 

 

3.シイタケ(SHIITAKE)

日本人には一番馴染みのあるキノコですが、実際にシイタケ成分のレンチナンは病院で処方される抗がん剤として承認されるなど、がんに対する有用成分としての研究が進んでいます。そしてさらに近年、シイタケ由来成分の1つである「シイタケ菌糸体」に、がん患者さんの免疫力改善効 果があることが複数の研究結果からわかってきました。



がんになると、免疫の働き(免疫力)を無力化する「免疫抑制細胞」などが異常に増えるのですが、そうなると、免疫抑制細胞などが邪魔をして、免疫細胞は増えたり活性化することができません。

シイタケ菌糸体は、がんに対する免疫力を抑制する「免疫抑制細胞」の増殖を抑え、がんに対する免疫力を回復・高める作用を持つことが、報告されています(免疫抑制の解除)(図3)。この作用は、ベータグルカンでは報告されておらず、シイタケ菌糸体の特徴的な作用だと考えられます(Cancer Science誌 2011年)

さらに最近の研究から、シイタケ菌糸体の抗がん剤の副作用を軽減する効果にも期待が集まっています。

 

4.ヤマブシダケ(LION’S MANE=「ライオンのたてがみ」の意)

ヤマブシタケは多糖類であるβ-グルカンを含み、免疫力を高める効果があります。これまでの臨床実験で数々の効果が報告されています。他のキノコが1、2種類しか多糖類を持たないのに対して、ヤマブシタケは5種類の多糖類を持っています。中でもガラクトキシロマンガンとマンノグリコマンガンはヤマブシタケ特有の多糖類です、β-グルガンの中でも、ヘテロβ-D-グルガンと呼ばれるもので、際立って高い抗ガン効果を示し、有名なアガリクスのβ-D-グルガンとも種類が異なります。

また、近年の研究で、ヘリセノンやエリナシンという成分が脳の神経細胞を活発にしてくれることがわかりました。脳内の神経伝達を行っているニューロンという神経細胞は、脳内でそれぞれ突起のようなものを伸ばしながら、情報伝達を行っています。しかし、加齢とともにニューロンが減少すると、伝達情報がスムーズに行われなくなるので、記憶力が低下し、認知症の原因にもなります。このニューロンの生死に関わっているのがNGF(神経細胞成長因子)[※6]で、ヘリセノンやエリナシンがNGFの生成を促進させることで、ニューロンの減少を防ぎ、脳細胞を活性化させるためアルツハイマー型認知症の進行を遅らせたり、防止する効果が報告されました。


摂り方:
意外に美味しいので食用向きであり、実際いろいろな料理法もあります。季節によっては売っているスーパーも時々あるということです。また、乾燥させたもの、サプリメント、さんごヤマブシタケの入ったお茶( ティーバッグ)や蕎麦、炊き込みご飯の素など、手軽にヤマブシタケの栄養がとれる商品も売っているようです。

 

5.チャガ(CHAGA) 

チャガ(Inonotus obliquus) は、一般的に北半球の寒い地域で、ブナの木に生育するサルノコシカケ科に属するきのこの1種です。。和名はカバノアナタケで、シベリア霊芝とも呼ばれます。名前の由来は「古い幹にできる黒いきのこ様のコブ」を意味するロシア語の「チャガ」から来ているそうです。

チャガにはβ⁻Dグルカンとよばれる多糖類が豊富に含まれており、免疫細胞を活性化する効果を期待できます。また、同時に含まれているSOD酵素メラニン色素には活性酸素除去効果と抗酸化作用があるため、がん細胞を攻撃し、排除できると考えられています。メラニン色素には、遺伝子保護効果があることが知られています。このようにチャガには、免疫力を活性化してがんへの攻撃力を助けるだけでなく、がんの原因となる酸化ストレス除去作用や傷ついた遺伝子の保護作用によって抗がん効果があると報告があります。

ロシアからの報告では、乾燥したチャガとその他のきのこをがん患者に投与したところ、チャガを投与したグループにおいてがんの転移阻止率が高かったことが明らかになっています。マウスを対象とした研究でチャガエキスを3週間連続で投与したところ、がんを60%抑制しました。また、がん細胞の増殖や増殖に必要な新生血管を阻害したがんの進行を抑えることを確認しました。チャガエキスは体温を上昇させることも明らかになり、代謝を上げることによりがんの進行を抑制するのではないかと考えられます。


摂り方:

摂取の目安は1日約10-20gで、がんなどの治療中であれば体調に合わせて増量も可能である。自分でチャーガを細かく砕いたものをティーバッグに入れてお湯で煮出して飲む方法があるが、チャーガ茶として販売されているものもある。免疫細胞は寝ている間に作られるため、免疫を活性化する作用のあるチャーガは寝る前に飲むのが理想的である。継続して摂取した方が体調の改善を期待できる。効き目は早い人では1週間程度で、遅くても1か月程度で自覚すると報告がある。

 

 

6.冬虫夏草(CORDYCEPS)

冬虫夏草(Cordyceps sinensis)は毛虫に寄生する菌糸体として知られています。 中国語で同じく冬蟲夏草(Dong Ching Xia Cao)と言いますが、それは、冬の間は虫の中で過ごし、夏になると殻を破って植物になるというところからきています。冬虫夏草は、長いこと伝統的な中国やチベットの薬とされてきました。ミイラになった毛虫と菌糸体の合体というこの非常に珍しいコンビは、ヒマラヤ山脈やチベット高原、それ以外でもかなり標高の高いところでしか見つかりません。

外観は引きますが・・(^^;

冬虫夏草は、多くの強力な生物活性成分を含みます:βグルカン⁽*¹⁾、SOD(活性酸素除去酵素)、コルジセピン⁽*²⁾、マンニトール、エルゴステロールなど

(*1)βグルカン:
アガリクス茸の17倍、普通のキノコの約170倍と多量に含まれています。

(*2)コルジセピン:
冬虫夏草の中でもサナギタケ(コルジセプス・ミリタリス)のみに発見されている成分で、悪性腫瘍の細胞死を誘発する効果が確認されています。

 

摂り方:
冬虫夏草は天然で、とても高価なためなかなか手に入りにくいものです。そのため、ニセものを「冬虫夏草」として販売するような悪徳業者もあるようですので、製品を選ぶときには注意が必要です。
天然の冬虫夏草が手に入った場合ですが、冬虫夏草の有効成分を効果的に摂取するには、煎じて飲むのがベストです。
それでも、最も手軽に冬虫夏草を摂る方法としてはまだ、サプリメントとしてが一般的です。現在では錠剤タイプやカプセルタイプ、ドリンクタイプなどさまざまなものがあります。これらは簡単に購入でき、手軽に摂ることができます。しかし中には冬虫夏草がわずかしか入っていないものや薬効成分のない冬虫夏草が使われているものなどもあるようです。購入する際は、よく確認してから選ぶようにしましょう。

 

7.マイタケ(MAITAKE MUSHROOM )

スーパーで普通に並んでいるマイタケ(舞茸)も、安価で意外なスーパーフードです。

スーパーでもおなじみの舞茸


マイタケから抽出された成分であるD-フラクションは、がんと戦う免疫細胞(マクロファージ、T細胞、ナチュラルキラー細胞)の活性を高めることに加え、直接がん細胞の増殖を抑制することが示されています。
このD-フラクションは神戸薬科大学微生物化学研究室 難波宏彰教授が見つけて名づけましたが、免疫力を高めることで有名なβ-グルカンを含んでいます。

難波教授らは、マウスの実験においてマイタケ D-フラクションのが腫瘍免疫(がんに対する免疫力)を高め、がんの増殖や転移を抑えることを報告しました。

マイタケ D-フラクションは、特に乳がんの培養細胞(MCF-7)の増殖を抑制し、またBAK-1というアポトーシス関連遺伝子の活性上昇をともなって細胞死に誘導することが示されています。またマイタケ D-フラクションによって、アポトーシス誘導、細胞増殖抑制、細胞周期停止、腫瘍の遊走(運動)と転移の抑制と関連する様々な遺伝子に変化がおこっていることがわかりました

 

8.メシマコブ(Phellinus Linteus

メシマコブは、日本原産の薬用キノコで、長崎県男女群島(だんじょぐんとう)の女島に野生株が多く見られることから命名されました。メシマコブは、腫瘍抑制効果が非常に大きく、抗がん作用があるといわれるキノコ類のなかでも群を抜いています。

このメシマコブの抗がん作用効果の研究にいち早く研究に取り掛かったのは、日本と同じくがん(癌)の死亡率が高い韓国でした。韓国ではメシマコブを医薬品として認可していますが、日本では健康食品として取り扱われています。

メシマコブのがん(癌)の増殖を抑える効果は、医薬品の抗がん剤と同等近くあるうえ、副作用の心配がありません。抗がん剤と併用すると高い効果を現し、抗がん剤による副作用も軽減させることが報告されています。

メシマコブは免疫力を増強し、マクロファージやナチュラルキラー細胞などを活性化させて、がん細胞を抑制することが判明しています。

抗がん剤と呼ばれるものの多くは、がん細胞に直接作用して、これを攻撃・破壊する強い効力をもっています。しかし、がん細胞だけでなく正常細胞まで傷つけてしまうため、必ずといってよいほど副作用がともないます。「がん(癌)を消すのと引き換えに、命を縮める」というドクターもいます。

一方、同じ抗がん剤でも、キノコからつくられた製剤には、人間の身体に本来そなわっている免疫機能を活性化させ、間接的にがん細胞を打ち負かすという性質があると考えられています。したがって正常細胞の破壊も、それに付随する副作用もほとんどありません。

摂り方:
メシマコブは、顆粒などがあります。
メシマコブの飲み方は一日3g(3包)を目安に、起床時、おやつの時間、就寝時に摂りましょう。メシマコブは空腹時に一日3回に分けて服用すると効果的です。また、メシマコブ茶としても、飲まれています。

 

9.松茸(Matsutake)

きのこ類に含まれる抗がん成分は、その多くが多糖類ですが、キノコの王様である松茸にはがん細胞だけを選んで攻撃をするタンパク質があることがわかりました。しかも、このたんぱく質の作用は実に強力であることが判明したのです。

これを突き止めたのは農林水産食品総合研究所蛋白質研究室の河村幸雄氏らのグループです。河村氏らはがん細胞と正常細胞を同じプレート内で培養し、23種類の食品から抽出したエキスをプレートに加えて、抗癌効果を調べる実験を行ないました。

その結果、主にキノコ類に正常な細胞を生かして、がん細胞だけを選択的に攻撃する働きのあることが確認されました。中でもガン阻止率と選択性が最も高かったのが松茸だったのです。

河村氏らは、マツタケに含まれるタンパク質にこうした性質があることを突き止め、これを「MAP(マツタケ抗腫瘍タンパク質)」と名付けました。その後の研究によって、MAPは多くのがん細胞に対しても有効であることが確認されています。

現在用いられている抗がん剤には、様々な副作用があることから、がん細胞だけを選択して攻撃するMAPの発見は、抗がん剤の弱点を解決する可能性をもたらしたことにもなります。

ただし、残念ながら松茸は超高級品です、日常的に食べられるものではないので、現実的にはシイタケやシメジ、マイタケなどに頼るしかないでしょう。

 

 

10.アガリクス(ヒメマツタケ、Agaricus Blazei Murill

キノコには、人間が本来備えている免疫力を高める作用があるといいましたが、中でもその力が高いと言われているのがヒメマツタケ(アガリクス)です。

元三重大学医学部の伊藤均らが行った実験では、ガンを移植したマウスに、ヒメマツタケから抽出した多糖類を一日一回、10日間投与しました。すると、驚くべきことに、32匹中28匹のマウスは、ガンが完全に消えていたのです。

また、ガンを移植したマウスに、ヒメマツタケ菌糸体から抽出した多糖類を投与したところ、やはり16匹中12匹のガンが完全消失していました。そればかりか、ガンの消失したマウスに、再びがん細胞を移植しようとしたところ、強い抵抗力によって体が拒絶したのです。つまり、体の免疫機能が高まったということです。
これらの実験結果は、ヒメマツタケに含まれる多糖類に、ガンをはねつけるための免疫力を増強する働きがあるという、何よりの証拠と言えるでしょう。

また、その後の研究によって、ヒメマツタケには多糖類以外にも、ガン細胞の増殖を直接抑える「ステロイド酸化物」などが含まれていることもわかっています。


摂り方:

サプリメントやエキス、お茶としてとるのが一般的です。

 


最後に、どうやってキノコを日常的に摂ったらいい?

シイタケ、舞茸、シメジなどのキノコ類は応用範囲が広く、割とどんな料理にも応用できますので、毎日の料理の食材にはキノコを加える習慣を是非つけたいものです。

ただし、βグルカンやD-フラクションなどの多糖類は、水に溶ける性質をもっています。有効成分が水に溶けだして、せっかくの抗がん効果が損なわれてしまうので、きのこ料理をするときは戻し汁や煮汁も捨てずに利用して下さい。

ちなみに一日の摂取量は、シイタケなら2~3枚、シメジなら約4分の1パック、舞茸なら10g程度食べれば十分だそうです。

ただ、カワラタケや霊芝、チャガ、メシマコブ、アガリクスなどは、珍しい上に固すぎて美味しくなかったりしますので、サプリメントとして摂るのが効率的でお勧めです。
その際、高額でもβグルカンの含有量が少なかったり、書いていない商品もありますので、そういったものは避けるようにしましょう。

 

トンプソン 真理子
在米20年のメディカル・リサーチャー&著作家。「すべての病は腸から始まる」「食で治せない病気は医者でも治せない」と唱えたヒポクラテスを師と仰ぎ、食と健康との深い関わり、大切さについて気づいてもらうべく日々発信している。 得意分野はリーキーガット、代表著書に「リーキーガット症候群」。

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